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今回ご紹介するのは、情報通信システムの設計・各種相談・構築等をしていらっしゃる守利郁彦さんです。昨年10月から山形での仕事で富山を離れていらっしゃるため、今回はメールでの取材を行いました。

Q.現在のお仕事の内容・得意な分野をお聞かせください。

●情報通信システムの設計、各種相談、構築
●パソコン系雑誌やSOHO関連雑誌への記事の執筆
●SOHO Shopの構築
などです。

Q.守利さんの経歴を教えてください。

A.高校を卒業してから富山を出てしまい、大学入学からずっと東京で過ごし、卒業後、中堅どころのソフトウエアハウスに就職しました。 結局、8年程度で辞め、技術系のコンサルタント会社に転職、前の会社でのコンピュータの知識、システム設計の知識を生かして、この当時、まだ珍しかったマルチメディアに関するコンサル分野を開拓。
 富山に戻ることを決意し、無理やり会社に在宅勤務を認めさせ、しばらく在宅勤務を行い、より自由に仕事を行えるようにするため、契約社員にしてもらい、契約社員で、プロジェクトを三つくらいやった後、退職してSOHOへ・・・

Q.SOHOとなったきっかけを教えてください。

A.最初のソフトウエアハウスでは、もうすぐこの時代が終わることを予感して、会社を離れて3年後くらいに、ソフトウエア業界そのものの構造不況がきて、破竹の勢いだったその会社は、今では他の会社に吸収合併されてしまいました。
 このことに妙に自信を持ってしまったのか、次はSOHO的な生き方が主流になると勝手に思いこんで、組織を離れたのがきっかけです。

Q.情報通信システムの設計・構築とは具体的にはどのようなことをされるのでしょうか。

A.情報通信システムの設計・構築といっても、私が実際に行っているのは、起案、企画、基本設計などの、いわゆる上流工程といわれているところがほとんどで、実際のシステム開発や構築は、私がユーザーと開発会社との間にコンサルタントという形で入り、技術的な専門分野も含めた構築を支援していきます。
 こうすることにより、ユーザー側では、専門技術に関してはあまり気にする事無く、やりたいことだけを私に伝えればいいという事になります。 私の方では、要求に対して、コストに見合う実現可能な技術を選定し、開発会社と打合せしながらシステムを設計・構築していきます。
 ここで重要なのは、コンサルタントはあくまでもユーザーの代理だということです。 コンサルタントは、ユーザーからコンサルタントフィーという形で雇われ、ユーザーの意向を技術的な面で代行していきます。
 官公庁や自治体、あるいは、大手企業など、メーカーと直接やり取りのしにくい組織では、コンサルタントが間に入る事により、中立性を保つ事ができます。
また、コストに見合った開発や技術の採用は、コンサルタントが行いますので、オーバースペックではない最新の技術導入や、技術力のある開発会社の採用をコンサルタントに任せておけば、最もコストパフォーマンスの高いシステムの導入ができる事になります。
 コンサルタントが推奨した開発会社は、ユーザーと、入札などで直接契約を結ぶ事になりますので、コンサルタントと開発会社との利害関係もありません。

Q.コンサルタントを雇うと、システムの総構築コストが高くなるんじゃないですか?

A.コンサルタントを雇うと、システムの総構築コストが高くなると考えている人が多いんですが、実際はその逆で、必要の無いところにはコストをかけない、オーバースペックなものは導入しない、技術的に実現可能な見極めをつけやすいなど、今まで不透明だった部分を明確にしながらシステム構築を行っていきますので、かなり適正なコストでシステム導入を行えると考えています。

Q.システム設計とは?

A. システム設計に関しても、システムの起案、企画段階の、「何が必要か」、「なぜ必要か」、「どの様にして使われるのか」、「運用形態は?」、「導入効果は?」というところから入りますので、うやむやになりがちなコンセプトなどをきちんと押さえ、システム導入の目的を明確にして行く事が可能です。
 情報通信システムの設計といっても、範囲は非常に広く、パソコン一台のシステムから、ビル丸ごとのハード・ネットワーク・ソフトの設計、通信衛星を使った全国規模の情報通信システムの設計まで手がけています。
 こうした大規模システムになると、コンピュータ関係の知識だけでなく、通信衛星に関する知識、ネットワークのハード・ソフトに関する知識、もちろんインターネットに関する知識、CATVや、TV&VTR、プロジェクターなどの映像技術に関する知識、TV会議などのビジュアルコミュニケーション関連の技術知識、電話システム、ホール音響、建築設計、その他、絡んでくる技術要素はかなり広範囲です。
 また、美術館や図書館、博物館、教育施設など、業務の特性や専門知識が必要なシステムもあります。 特に、美術館や博物館などは、展示物と情報システムの連携・融合が必要で、これも、設計が結構大変ですが、やっているときは楽しいです。
 私自身は、これらの技術を全て押さえているわけではありませんが、それぞれの専門分野の基本的な技術はおおむねわかりますので、異なる分野のエンジニアとディスカッションする事により、全く違った技術同士を一つのシステムの中で有機的に効率よく配分していくという事ができます。

Q.パソコン関連の雑誌に記事を書いたりもしていらっしゃるとのことですが

A. 私の一番専門的な分野で、最も長年やってきた仕事は、こういった感じの仕事ですが、最近は、長引く不況から、こうしたシステムの仕事も少なくなってきています。
 長年の設計などの仕事で、文章を書いたり調査してまとめたりという事を限りなくやってきましたので、書く事はそれなりに好きです。
 こうした関係から、数年前からパソコン関連の雑誌に記事を書いたりする様になりました。 現在も、大手新聞社が発刊している某パソコン雑誌には、毎月レギュラーで書いているコーナーがありますし、某DOS/V専門誌にも、技術動向や業界の動向など、不定期に書いています。
 最近、某SOHO誌にも、記事を書くようになりましたが、こちらの方は、発刊自体が不定期で、まだSOHO自体が通常の感覚では市民権を今一つ得ていないという事を感じます。

●右の写真はDOPPO創刊3号「SOHOダブルワーク支援団体・サークル有効活用マニュアル」の記事です。
     

Q.守利さんのURLを教えてください。

A. http://www.bekkoame.ne.jp/ha/c-melon/ です。
 SOHOとして独立してからは、仕事を続けていく一方で、もう少し商売気のある方面にも進出するべく、ISDNやOCN、ODNなどのネットワーク回線の販売代理、パソコンなどの販売代理も行っています。
 通信販売形式を取る予定で、そのためのHomePageなども作っているところですが、現在の仕事が忙しく、まだ準備段階です。

     

Q.セールスポイントまたは自己PR・将来の展望をお聞かせください。

A.セールスポイントは、とにかく新しい技術や知識の習得が好きで、様々な分野の技術情報を今でも吸収し続けています。
 将来の夢は、年をとったら、小さな酒屋のおやじになりたいという願望があります。 おいしいお酒を置いて、酒の肴でおいしいものをちょこちょこ作り、気にいったお客に出し、お客の喜ぶ顔を見てすごすという変な夢です。

Q.これからSOHOを目指す人たちが日本でも増えると予想されますが、そんな人たちにアドバイスしてください。

A.自分自身が失敗遂行中で走っていますので、アドバイスという所までまだいきませんが、こういう仕事のスタイルですよということを回りに認めてもらうまでは、かなりの努力が必要です。
 SOHOでやるからには、例えば、コミュニケーションはできるだけ電話やFAXを使わずにMailで行うとか、こちらが徹底してやっていかないと、取引先の相手もついて来てくれません。
 「ああ、この人とはインターネットで仕事をしていくんだ」と理解されれば、相手もそういう対応をしてくれますが、そういう認識を持ってもらうためには、自分の仕事のスタイルを、長い時間をかけて相手に納得してもらう作業が必要なわけです。

 それから、情報通信インフラを十分活用すること。
 できれば専用線がいいんですが、日本では通常の専用線などの通信費はまだ高額なので、順専用線とも言うべきCATVインターネットが安価に提供されれば理想ですね!(富山のCATV局さんにはがんばってほしいところです)
 ほしい情報や人脈、技術は、インターネット上にほとんどすべて埋まっています。 私も、今までのプロジェクトで、必要な技術知識や人材をたくさん活用させていただきました。
 信頼度の高い情報や人材をネット上で探すことができるようになれば、SOHOとしての仕事は、だんだん回り始めます。