1-3-4. インターネットのアプリケーション
 現在、インターネットのアプリケーションは、全国、富山県を通じ、WWWと電子メールの利用が主体である。
 利用歴が長くなるほどWWWの閲覧から、コミュニケーションツールとしての電子メールの活用が多くなる。
 もっぱら企業で利用する人は情報伝達における効率化を感じており、企業においてはすっかり電子メール文化が入り込んだ様子が窺える。
 今後、電話やテレビに代わる新たなマルチメディア通信としての利用整備が求められる。

【説明】
 ここでは、インターネットユーザがWWW、電子メールなど、どんなアプリケーションを使っているかを調べた。

1 全国、富山県を通じ、よく使うアプリケーションはWWWと電子メールである。

(1) 現在使っているアプリケーションは、全国で見ると、1位がWWWで96%、2位が電子メールで92%、これ以下はずっと小さくなって、ファイル転送が44%、ネットニュースが36%と続く。富山県でみた場合も、1位がWWWで96%、2位電子メールで92%、3位がファイル転送44%、ネットニュースが33%と全国とほぼ同じ状況にある。

(2) 質問の仕方を変え、最もよく使うアプリケーションを聞いたところ、全国では、WWWが54%、電子メールが41%、他はすべて2%以下であった。富山でも、WWWが56%、電子メールが40%であり、全く同様の結果となった。
 両者をあわせた割合は95%を越え、現時点での一般的な利用者におけるインターネットとは、この2つのアプリケーションを使うことと言い換えてもあながち間違いではなかろう。


2 利用歴が長くなるほどWWWから電子メールへと移行していく。

 WWWと電子メールの利用は利用歴と強い相関関係がある。利用歴が長くなるにつれて、最もよく使うアプリケーションとしてのWWW利用の割合が減少し、電子メール利用の割合が急増する。利用歴3年以上に至っては、WWWが20%にまで落ち込み、電子メールが70%にも及ぶ。


3 企業には電子メールが浸透し、有効なコミュニケーションツールとなっている。

(1) 接続方法別で最もよく使うアプリケーションを見てみると、個人ダイヤルアップでは、WWW43%、電子メール36%である。これに対して、LAN接続での場合は、WWW43%、電子メール51%と逆転する。

(2) このことから、社内LANを整備した企業などでは、WWWによる情報収集もおこなうが、それ以上に電子メールを利用した情報の相互伝達を業務に役立てている様子が分かる。このことは、社内・学内LAN接続で利用している人のうち、インターネット利用の効果として、連絡がスムーズになった点をあげている人が61%もいることからも裏付けられる。

(3) 個人で利用する場合、企業などに比べて電子メールを利用した情報伝達の必要性が少ないのではないかと思われる。また、利用しようにも、友人など自分の周りで利用可能な環境にある人がまだ少ないことも影響していると考えられる。この点については、今後インターネットの普及が一般に進むにつれ、変化していくであろう。


4 マルチメディア環境の整備がこれからの課題である。

(1) 現在、インターネットでのマルチメディア利用が盛んに研究され、また報道されている。実際に、ホームページ上で画像データを表示したり音声が聞けることは当たり前のこととなっている。また、通信速度に問題があるものの、動画をダウンロードしたりリアルタイムで再生したりすることも可能になってきた。

(2) これらの技術を利用したマルチメディアアプリケーションとして、インターネット電話、インターネット放送、テレビ会議・電話などがある。しかし、アプリケーション利用の割合で見ると、これらはすべて6%以下である。さらに、最もよく使うアプリケーションとして選択した人は、ほぼ皆無であり、現在はまだほとんど利用されていないといってよい。

(3) これらのマルチメディアアプリケーションが利用されない理由として、利用可能なコンテンツの不足、通信速度などの利用環境が追いつかないこと、技術的に発展途上であることなどが考えられる。
 今後、情報のマルチメディア化はさけられない流れであり、これらの問題に対する一刻も早い解決、整備が望まれる。



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