1-3-3. 1ヶ月あたりのインターネット利用料金
 富山県では個人負担なしで利用できる人の割合が少ない。使い慣れたユーザは利用の仕方を工夫しており、利用料金は月5千円以下が主である。
 今後の普及と利用に向けた課題は、低価格で利用できる高速な通信インフラの整備である。

【説明】
 ここでは、ユーザは月にいくらぐらいインターネット利用に支払っているのかを調べ、実際にユーザがどのくらいまでならインターネットに費やすことができるのかを調べた。

1 月5千円以下の利用が主であり、多くても月1万円までという姿がみえる。

 全国の利用者は、個人負担なしを含めると、月5千円まで77%、月1万円までを累積すると93%である。一方富山県の利用者は、月5千円まで76%、月1万円までの累積91%である。
 ここ数年でプロパイダが乱立し全国的に接続ポイントが増えたことにより、地方によるインターネット利用料の差はなくなったといえる。金額については、接続料の引き下げが行われているため、月5千円までで、多くても月1万円が一般的である。


2 利用時間の長短に関わらず、利用料の差は見られない。

 利用料を週あたりの利用時間別で見てみると(個人負担がない場合を除く)、利用時間の長短に関わらず、月額2〜5千円の人が最も多い。また、週あたり30時間以上利用する人の28%は利用料の個人負担がない。
 一方で、利用料の個人負担がない場合、週あたりの利用時間が5時間までの人が34%、10時間までを加えると65%にものぼる。これは、会社や学校でLAN接続されているなどの恵まれた環境にあるにも関わらず、有効に利用していないか、利用するための時間的余裕がないもの と思われる。


3 利用歴が長くなると、利用料の個人負担が減少する。

 利用料を利用歴別で見てみると(個人負担がない場合を除く)、月額2〜5千円の人が、利用歴が3ヶ月以下38%、3〜6ヶ月35%、6ヶ月〜1年36%と最も割合が多い。1〜2年では29%とやや減少する。さらに、2年超になると、2千円以下が、2〜3年では26%、3年以上では23%と最も多くなる。
 また、利用料の個人負担がない人は、2年以下29%、2〜3年34%、3年超では43%を占める。


4 使い慣れたユーザは利用方法を工夫している。

 以上の結果から、利用時間が長いヘビーユーザや経験の豊富な利用者は、利用料が高くなりすぎないように、使い方を工夫しているといえる。
 月額2〜5千円のユーザが多いことから、最近主流となっている低価格定額制のプロバイダとテレホーダイなどのサービスを組み合わせて利用しているユーザが多いと考えられる。また、不必要に長時間の接続をさけたり、通信料が安い時間帯にホームページや電子メールのデータをダウンロードし、オフラインでゆっくり見るなどの方法を活用していると考えられる。


5 富山県では個人負担なしで利用できる人の割合が少ない。

 利用料の個人負担なしの割合は、全国が30%に対して、富山が24%と少ない。これは、全国のLAN接続割合44%であるのに対し、富山では29%であることと密接に関係している。今後富山では、企業や学校での利用環境の整備が望まれる。


6 負担を感じずに利用するには、月額2千円以下の環境が必要である。

 全国の2人に1人が、利用料が高いという不満を持っている。
 これを利用料別で見ると、2〜5千円で54%、5千〜1万円が62%、それ以上では70%である。それに対して、2千円以下の場合は34%と極端に不満を持つ人が減少する。
 利用歴2年超では2千円以下での利用が最も多いことと合わせて考えると、継続的に利用し続けるためには、月額2千円の利用環境が一つの目標となる。


7 今後の普及と利用に向けた課題は、低価格で利用できる高速な通信インフラの整備である。

 インターネット利用者の持つ不満は、回線速度が遅い58%、利用料が高い42%と、この2つが飛び抜けて多い。今後の普及と利用を推進する場合、この2点を解消することが重要である。LANやCATV接続の利用者に不満が少ないこともその裏付けとなる。
 CATV利用者の場合、4人中3人までが月額2〜5千円の負担であり、ダイヤルアップの場合と差はない。CATVでは、接続料が少々高くても通話通信料がかからず、結果としてダイヤルアップと同じ料金に収まっている。同じ料金で不満が少ないということは、料金に応じた通信速度が得られていると考えられる。
 今後の課題としては、CATVのような安価で高速な通信インフラを誰もが利用できるよう、早急に整備する必要がある。



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