1-3-2. 利用歴
 利用者の大半は利用歴1年以内と比較的浅く、インターネットの急速な普及を裏付けている。富山県の利用者は全国と比較して、さらに利用歴が浅くなっている。
 利用歴が進むに従って利用日数や利用時間は増える傾向にあり、その利用内容はネットサーフィンだけでなく仕事や学業でのコミュニケーションツールとしての利用方法にも広がっている。

【説明】
 ここでは、インターネットユーザの利用歴を調べた。これによって、新たなユーザ像がわかる。

1 利用者の半数は利用歴が1年以下である。

 インターネットの利用者の半数以上は利用歴が1年以下である。これを全国と富山県で比較すると、全国が54%、富山県が60%となっており、富山県の方が利用歴の浅い人が多い。2年以下まで含めると、全国、富山県ともに8割が該当する。
 男女別で見ると、1年以下の人は全国で男性51%、女性65%である。富山県では、男性61%、女性54%であり、富山県の女性は比較的インターネット経験が長いことがわかる。
 年齢別で見ると、各年齢層とも半数以上は利用歴が1年以下の人であり、年齢による違いは見られない。


2 個人のダイヤルアップ接続者には、利用歴の浅い人が多い。

 個人ダイヤルアップ接続のみの利用者と社内・学内LAN接続の利用者(他の接続方法の併用も含む)についてその利用歴を比較すると、利用歴1年以下の利用者は個人ダイヤルアップ接続で72%、LAN接続利用者で37%である。また、3年超の利用者はそれぞれ3%、11%であった。最近のダイヤルアップによるインターネットの急速な普及を裏付けている。


3 経験年数が進むに従って利用日数や利用時間は長くなる。

 利用歴別で利用日数を比較すると、各利用歴の人の中で5日以上利用している人の割合はだんだん上昇している。経験年数が進むに従って、仕事や学業を含む一般生活の中にインターネットが浸透しているということがわかる。


4 経験年数が進むに従って、ネットニュースなどのWWW・電子メール以外のアプリケーション利用率が高くなる。

 WWWと電子メールはどの利用歴層でも80%以上の高率で利用されているが(3ヵ月超では90%以上となる)、ニュース、ftp、telnetといったアプリケーションは、経験年数が進むに従って20%台から80%近くにまで増加する。
 最もよく使うアプリケーションは全体でWWW53%、電子メール41%であるが、利用歴別で見ると、経験年数の浅いうちはWWWを最もよく使う人の比率が高いが、経験年数が増えるに従って、電子メールを使う人の比率が高くなる。ネットサーフィンだけでなく、コミュニケーションツールとしても利用方法が広がっていることを示している。ただし、最近では企業ユーザ以外での利用が増えてきており、今後は各アプリケーション利用率に変化が起こることも十分予想される。


5 経験年数によっての利用内容は、用途によって、違いがある場合とない場合がある。

 仕事・学業やコミュニケーションの用途は経験年数が増えるに従い利用者の割合が増加する。
 経験年数ごとにインターネットの用途を見てみると次のような状況である。

(1)仕事・学業
 6ヵ月以下の人だと3割。1年以下で半数。経験年数の増加ととも に仕事・学業でよく使っている。

(2)ショッピング

 経験年数が増すに従って使ったことがある人は増加するが、よく使うのは4%程度。

(3)レジャー

 経験年数による差は見られない。よく使うのは20%弱。

(4)ゲーム

 経験年数による差は見られない。よく使うのは10%弱。

(5)コミュニケーション

 6ヵ月以下の人だと3割。経験年数の増加とともによく使っている。経験が2年を超えると7割の人がよく使っている。

(6)ボランティア

 経験年数が増すに従って使ったことがある人が増加するが、全体的にまだ使っているとは言いがたい。

(7)マスコミ記事の無料購読

 よく使う人は6ヵ月以下の人だと3割。経験年数の増加とともによく使っている人の割合が増える。経験年数が2年を超えた人は、9割以上が使ったことがある。

(8)マスコミ記事の有料購読

 よく使うのは、経験年数が1年を超えた人で12%。3年を超えても17%。インターネットはこれまで情報がタダという触れ込みであ ったし、利用者の側も有料情報は ほとんど利用していない。

(9)ネットサーフィン

 経験年数に関係なく、60%〜70%の人がよく使っている。使ったことがある人を含めると90%を超える。


6 経験年数が長いほどホームページ開設率が高い

 経験年数が増加するに従ってホームページ開設率が高くなっている。1年を超えると27%、3年を超えると43%の開設率である。


7 経験年数が進むに従って、電子メールの受信件数が増加する。

 1日あたり10通を超えて受信する活発なユーザは、全体の31%であり、大多数は10通以下である。利用経験で細かく見ると、活発なユーザは1年以下17%、1年超47%となっている。利用経験3ヵ月以下ではメールを受け取らない18%、10通以下75%である。
 メールの数が10通以下である人の割合は利用経験が進むに従って下がり、10〜50通である人の割合が徐々に増える。利用経験1〜2年になるとほば同数となり、3年以上では完全に逆転する。さらに、メールを50通以上受け取る利用者の割合も経験年数とともに増加している。これは、経験年数の増加とともにメールの利用が活発になることを示している。



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