1-2-2. インターネットへの通信速度
 インターネットへの通信速度は、半数以上が64kビット/秒以下である。全国的に見てダイヤルアップの回線速度は28.8kビット/秒が中心である。また、LAN接続の回線速度は128kビット/秒が中心である。これが現在の通信環境の実態だと考えられる。
 64kビット/秒以下の回線の利用者は利用時間が短い。また、64kビット/秒を越える回線の利用者は多様なアプリケーションを使っている。
 64kビット/秒以下の回線の利用者は速度が遅い、料金が高いといった不満を多く持っている。
 インターネットの利用自体が、単に世界につながるという段階から、より高速な通信環境を必要とする段階に移ったと考えられる。

【説明】
 ここでは、インターネットユーザがどれくらいの通信速度の環境にあるかを聞いた。また、他の質問と関連づけ、通信環境によりどのような不満を持っているかについても確かめた。

1 インターネットへの接続速度は、半数以上が64kビット/秒以下である。

 インターネットへの接続速度は、全国では64kビット/秒以下の低速系の割合が58%、富山県でのそれは65%となっている。これは、個人のダイヤルアップ接続の割合が高いことによる。
 個人ダイヤルアップ接続の回線速度は全国、富山県とも28.8kビット/秒が中心である。 一方、会社・学内LAN接続のみの利用者の場合、回線速度は128kビット/秒が中心であり、これが現在の通信環境の実態なのであろう。


2 64kビット/秒以下の回線利用者は、利用時間が短い。

 通信速度と週あたりの利用時間の関係を見ると、通信速度が速くなるに従って5時間以下の利用者の割合が減少し、30時間を超える利用者の割合が増加する。64kビット/秒以下の速度では、週10時間以下の利用者は69%であるが、64kビット/秒を超える回線速度では57%に減少する。
 これらの結果から、通信速度が速い人は利用時間が長い傾向にあり、よりインターネットを使い込んでいると推測できる。ただし、通信速度が速いことが利用時間が長くなる要因なのではなく、逆に低速回線利用者ではダイヤルアップ接続が多いために利用時間が短くなっていると思われる。


3 回線速度によって、使い方に差がある。

 通信速度と利用アプリケーションの関係を見ると、WWWと電子メールは、回線速度に関係なく9割以上の人が利用している。それに対して、ニュース、ftp、telnetといったアプリケーションは、高速になるほど利用率が高くなっている。
 (注:64kbps以下では20%〜40%であったものが、64kbps超では40%〜60%と高くなっている)
 これは、通信速度による違いというより、ダイヤルアップ接続かLAN接続かの違いが反映されたものと思われる。


4 回線速度が遅い人ほど、通信速度や料金に不満を持っている。

 インターネットへの不安・不満を通信速度で比較すると、つながらないという不満は64kビット/秒以下で23%、64kビット/秒超で15%であった。回線速度が遅いという不満は、64kビット/秒以下で65%と半数を超え、64kビット/秒超でも47%ある。また、接続料が高いという不満は、64kビット/秒以下で50%、64kビット/秒超で38%である。
 ただし、情報がない、セキュリティが不安、マナーが悪いといった通信環境以外の不満は回線速度による差はみられない。
 64kビット/秒以下はダイヤルアップ接続が主であるため、遅い、高いといった不満が半数を超え、より安価で高速な通信環境を必要としている。回線速度について見ると、64kビット/秒超でも半数が不満を持っていることから、インターネットの利用自体が、単に世界につなが るという段階から、より高速な通信環境を必要とする段階に移ったと考えられる。



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