1-1. インターネットユーザのプロフィール
1-1-1. 回答者の男女比率
全体でも女性の利用者は2割程度であり、インターネットはまだ男性中心の世界である。けれども、新規ユーザの4割近くが女性であり、利用機運は急速に高まってきている。
全国との比較では、富山県の女性利用者の比率は低く、特にその傾向は中高齢者において際だっている。また、富山県の専業主婦でインターネットを利用して
いる人はわずかである。
女性では、男性に比べて医療、福祉分野への期待が大きい。こうした分野でのアプリケーション開発が、女性に対するインターネット普及の鍵を握るのではないだろうか。 |
【説明】
ここでは、全国と富山県の男女比率を分析した。特に、女性のインターネット普及動向に注目した。
1 まだ男性中心ではあるが、女性にも急速に広がってきている。
全国でみても女性の比率は21%と低いが、富山県では14%と更に低くなっている。
インターネットはまだ男性中心の世界であるが、回答者全体として女性の構成比を利用歴別に詳しく見ると、6ヶ月超1年以内では18%、3ヶ月超6ヶ月以内では29%、3ヶ月以内では37%となっている。
この結果を見る限り、女性の間でもインターネットの利用が急速に広がってきている。新規ユーザだけを見ると、男女の比率が肩を並べる時代はすぐそこまで来ていると言えるのではないだろうか。
2 家庭に密着したアプリケーションの開発が必要である。
どのような分野での利用を期待しているかを分析してみた。
男性では、生涯学習が49%、医療が45%、福祉が34%となっている。
女性では、生涯学習が50%、医療が50%、福祉が40%となっている。男性が期待する分野と順位は変わらないものの、家庭生活により関係の深い医療・福祉の分野に対する女性の期待度は、男性よりも高いことがわかる。
今後、インターネットを更に家庭へと普及させていくためには、通信環境などの技術的な面からの改善も必要であろう。さらに、家庭でインターネットを利用することが多い女性の ニーズを踏まえて、医療、福祉など生活に密着したアプリケーションの開発が強く望まれる。
3 女性の場合は、男性以上に年齢層に偏りがある。また、専業主婦の利用が特に低い。
(1)利用者の男女構成を年齢別に分析してみた。
10・20歳代では男女の比率がおおよそ3対1、30歳代では4対1、40歳代では5対1、それ以上の年代になると女性の姿は見えなくなる。男女構成の格差は、若い年齢では急速に縮小している。
(2)家庭での利用が多いと推測される専業主婦については、富山県での割合が低い。
女性を職業別に分類してみたところ、専業主婦が占める割合は、全国20%、富山県5%であった。
この結果から、富山県の主婦にとって、インターネットはまだ縁遠い存在のように映っているのではないだろうか。